1. ウルソデオキシコール酸
1.1. 一般情報、類義語
1.2. 組成、化学構造
1.3. 安全性情報
1.4. 危険有害性の特定
1.5. 取り扱いと保管
1.6. 毒性学的および生態学的情報
1.7. 輸送情報
2. ウルソデオキシコール酸の用途
2.1. ウルソデオキシコール酸の応用分野、川下製品
3. ウルソデオキシコール酸の製造法
4. ウルソデオキシコール酸の特許
概要
概要
発明の概要
発明の詳細な説明
5. 世界のウルソデオキシコール酸市場
5.1. 一般的なウルソデオキシコール酸市場の状況、動向
5.2. ウルソデオキシコール酸のメーカー
– ヨーロッパ
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.3. ウルソデオキシコール酸のサプライヤー(輸入業者、現地販売業者)
– 欧州
– アジア
– 北米
– その他の地域
5.4. ウルソデオキシコール酸市場予測
6. ウルソデオキシコール酸市場価格
6.1. 欧州のウルソデオキシコール酸価格
6.2. アジアのウルソデオキシコール酸価格
6.3. 北米のウルソデオキシコール酸価格
6.4. その他の地域のウルソデオキシコール酸価格
7. ウルソデオキシコール酸の最終用途分野
7.1. ウルソデオキシコール酸の用途別市場
7.2. ウルソデオキシコール酸の川下市場の動向と展望
ウルソデオキシコール酸は、白色またはほぼ白色の結晶性粉末として存在し、水にはほとんど溶けませんが、エタノールにはやや溶ける性質があります。その融点はおよそ203℃から204℃で、化学的には24位のヒドロキシル基がβ位に位置するイソメル構造が特徴的です。このヒドロキシル基の構造特性がその生理作用の鍵を握っています。
この化合物は主に肝疾患の治療に応用されます。特に胆石症や原発性胆汁性胆管炎(PBC)などの治療に有用であるとされています。UDCAは、肝臓の胆汁フローを改善し、コレステロールの分泌を促進することで、胆石の形成を防ぎ、また既存の胆石を減少させることができます。さらに、細胞膜を安定化させたり、抗炎症作用を持つことから、慢性肝疾患の進行を遅らせる効果も報告されています。
ウルソデオキシコール酸の製造方法は、主に化学合成と微生物合成の2つがあります。化学合成法では、コール酸を出発物質として複数の化学反応を経てウルソデオキシコール酸を合成します。一方、微生物合成法では、特定の微生物を用いてコール酸からUDCAを生成する方法が取られます。こちらは生物学的工程を利用するため、生産効率が高く、環境への負荷も少ないとされています。
関連する特許としては、UDCAの微生物合成法に関する技術や、製剤化に関するものが多く出願されています。これらの特許は、製造効率を向上させたり、薬物としての安定性を高めたりするための具体的なプロセスに重点が置かれています。特に、コレステロール系代謝物をターゲットとした治療薬としての応用が注目されているため、その製剤や代謝プロセスを最適化する研究が進められています。
安全性に関しては、適切な用量では一般的に安全とされていますが、過剰摂取や特定の健康状態の患者では副作用のリスクがあります。主な副作用としては、消化不良、下痢、皮膚のかゆみなどが報告されています。したがって、使用にあたっては医療専門家の指導のもとで正しい用量を守ることが重要です。
このように、ウルソデオキシコール酸はその特異な化学構造と生理活性により、肝臓疾患の治療において重要な役割を果たしています。その製造技術や応用の研究が進むことで、さらなる治療効果の拡大と新たな医薬品開発が期待されています。